プロフィール

松居 里(まつい さと)は日本生まれ、パリを拠点に活動する作曲家。日本の伝統的な音色と、対位法・和声・管弦楽法における生涯にわたるクラシック音楽の研鑽を背景に、多層的な文化的視点から生まれる音楽を特徴としている。チャールズ・アイヴズ賞およびフルブライト奨学金を受賞。これまでにカーネギーホール、リンカーンセンター、ウィグモアホール、台湾国家音楽庁(ナショナル・コンサートホール)、パリのプティ・パレなど、世界各地の主要なホールで作品が演奏されている。

松居はジュリアード音楽院にて作曲の博士号を取得し、ロバート・ビーザーに師事。その後パリのスコラ・カントルムにて、オリヴィエ・メシアンの弟子であるミシェル・メルレのもとで研鑽を積んだ。彼女の作品は、アンサンブル・アンテルコンタンポランのヴァイオリニスト、ジャンヌマリー・コンケールをはじめ、フルーティストのキャロル・ウィンセンクトマス・タヴァレス、ピアニストのアンナ・ツィブレヴァ土田理恵子など、第一線の演奏家によって取り上げられている。

近年の主な活動として、キャロル・ウィンセンクのために委嘱された《フルート協奏曲》が、2024年ナショナル・フルート協会ガラ・コンサート(フェニックス、シンフォニー・ホール)にて初演された。2024年4月には、ピアノ作品《ロワゾー・ソレール(L’Oiseau solaire)》がカーネギーホールにて、ピアニスト兼作曲家ウィル・ヒーリーによってアメリカ初演された。2025年には歌曲集《ふしぎ歌》が、ソプラノのエマ・ニコロフスカとピアニストの神吉ひかるにより、ウィグモアホールで英国初演された。これ以前の作品としては、コルネリア・ゾンマーの委嘱により国際ダブルリード協会大会(デンバー)で初演された《花咲か爺さん》(オーボエ、ファゴット、ピアノのための三重奏曲)や、ニュージュリアード・アンサンブルによりリンカーンセンターで初演された管弦楽作品《Kinokonoko》などがある。

松居はパリを拠点とする室内楽アンサンブル IMAGO の創設者・芸術監督でもあり、古典レパートリーと新作の双方に取り組みながら、音楽・文学・視覚芸術を横断する学際的なプロジェクトを展開している。作曲活動と並行して音楽学研究にも携わり、現在はデュラン社より出版されるエリック・サティ歌曲全集の編集主任を務めている。

これまでにバンフ芸術センターやニューヨーク・コレオグラフィック・インスティテュートなどでレジデンス・アーティストを務め、サラソタ音楽祭にはゲスト・アーティストとして参加している。

現在はパリに夫と娘とともに暮らし、パリ7区のコンセルヴァトワール・エリック・サティにて教鞭を執っている。