松居は北海道の千歳に生まれ、パリを拠点に活動する作曲家。作風は、クラシック・ヴァイオリニストとしての研鑽に加え、日本の伝統的な響きに影響を受けている。パリの室内楽アンサンブル IMAGO の創設者兼アーティスティック・ディレクターであり、トラディショナルなレパートリーとオリジナル作品の両方を得意とする。ジュリアード音楽院で修士号と博士号を、ウィリアムズ・カレッジで学士号を最優秀の成績で取得。

今年、Carol Wincenc のためにフルート協奏曲を作曲し、アリゾナ州フェニックスのシンフォニーホールで開催された2023年ナショナル・フルート・アソシエーション・ガラ・コンサートで初演された。今年4月には、カーネギーホールでピアニストのウィル・ヒーリーによって松居の「Oiseau Lunaire」が米国初演された。また2022年には、コロラド州デンバーで開催された国際ダブルリード会議のために、オーボエ、ファゴット、ピアノのためのトリオ「花咲かじいさん」が Cornelia Sommer から委嘱された。ニュー・ジュリアード・アンサンブルのために委嘱された松居の大編成アンサンブル作品『きのこのこ』は、2019年にリンクルン・センターのアリス・タリー・ホールで初演された。

松居は他のアーティストやダンサーと様々なコラボレーションを行ってきた。レバノン出身のメイクアップ・アーティスト、Michel El Ghoul、ダンサー・振付家のGildas Lemonier、Quentin Lelongとともに、パリのアンサンブルIMAGOのために暗闇で光るダンス作品『Trois apparitions de la nuit』を制作。2020年ニューヨーク・シティ・バレエ団に招かれ、New York Choreographic Institute に参加し、振付家 Jonathan Faulry と共同でアメリカンスクールオブバレエのためのダンス作品を書き下ろした。2017年にはカナダ・アルバータ州のバンフ芸術創造センターの Creative Movement and Gestures Program のレジデント・コンポーザーに任命された。松居が作曲したシェイクスピアの戯曲『お気に召すまま』は、2019年にリンカーン・センターのマクレランド・ドラマ・シアターでイアン・ベルナップによって上演・演出された。

2019年、松居はフルブライト国際奨学金を受け、博士論文のためにエリック・サティの手稿を研究するためにパリに渡った。アメリカ芸術文学アカデミーの2019年チャールズ・アイヴズ賞受賞。